〜教育〜
文学教育の主要目的の一つは、単純なようですが、テクストがよく読めるようになることではないでしょうか。テクストを読むには、言葉のつながりを正確に読み分ける能力を養う必要があります。学部生や大学院生に何より身につけてほしいと思うのは、この力です。この能力を介し、さらに文学が本来もっている他者への理解力や想像力を豊かに身につけていってもらいたいと考えています。テクストを読む能力を向上させる訓練は、具体的にあるテクストをつかって行うことが一番有効な手だてだと考えます。深い読みの理解を示す学生の意見に耳を傾けることも大事でしょう。それぞれの読みを交流させることも大事でしょう。文学理論の実際的な応用のあり方を学ぶことも大事でしょう。学部生・大学院生の連携授業として行っている近代文学ゼミは、テクスト理解のための大切な訓練の場となっています。実際の講義においては、具体的なテクスト分析を視野に入れた、文学理論の解説にも力を注いでいます。 |
〜研究(小埜裕二)〜
専門分野: 日本近代文学(大正・昭和期の小説・童話研究) 研究領域: 第1は、三島由紀夫を中心とした昭和期の小説研究。戦前・戦後の三島の歩みを、時代の推移と関わらせながら研究しています。 第2は、宮沢賢治を中心とした大正期の童話研究。賢治文学の根底に流れる〈修羅〉のありようについて研究しています。 第3は、小川未明を中心とした郷土作家の研究。書誌的調査や全集未収録作品の収集を通じて、未明文学の解明に努めています。 『解説小川未明小説1』(編・解説、永田印刷出版部、2014年3月) 「今年の終りの陽の光−宮沢賢治「風の又三郎」論−」(『上越教育大学研究紀要』第30巻、2011年2月) |