講義の内容                                
単独開講科目のうち、セミナー科目を除く、小埜担当の授業の紹介です。すでに終了している授業は「授業内容」を、現在進行中の授業は「授業計画」を記してあります。他の小埜担当の授業科目の詳細については、国語研究室ホームページの当該箇所をご覧ください。
時間割
2009年度前期

国文学特論B(Japanese Literature B)

学期 前期
曜日・時限
金・2
標準履修学年 大学院


授業の到達目標・テーマ
 文学テクストを読むための理論は、今日、文学のみに限った狭い理論によってではなく、広く現代思想の理論全体から形成されたものが多い。しかも理論の学習は次の新たな理論の学習へとわれわれを導き、終結点を見ない。それゆえ文学理論に手を出すことにためらいをもつものは多い。伝統的な研究方法にのっとり、実証研究を進めていく意義が無効になったわけではないが、新しい文学理論はテクストに対峙するわれわれの構えを豊かなものにしてくれる。本授業では、文学理論に関するテクストの読解を通じて文学の批評理論を学ぶとともに、それが解釈および教育現場でどのように具体化・応用化されうるのかを見ていく。  
授業の概要
 本授業では、新しい文学理論のなかでも構造主義の考え方を用いたテクストの構造分析、とりわけ物語の筋立てがどのように組織化されているかについて考える。民話や神話の分析に用いられたモデルをもとに、簡単な童話作品の分析を行う。物語の筋立てがどのようになっているかについて知見を得ておくことは、文学研究のみならず文学教育にも資するところが大きい。テキストは、アメリカで文学理論の入門書として評価の高いロバート・スコールズの『スコールズの文学講義』を用いる。  
授業計画・内容

1

ガイダンス 文学作品の種々の解釈1 川端康成「化粧」を例に 4/10

2

ガイダンス 文学作品の種々の解釈2 川端康成「化粧」を例に 4/17

3

ロバート・スコールズ「方法としての構造主義」 4/24

4

   〃   「言語学的基盤」 5/1                          5/8 休み(水曜日授業のため)

5

   〃   「詩の理論」 5/15                              5/22休み(出張のため)

6

   〃   「アンドレ・ヨレスの単純形式」 5/29

7

   〃   「エティエンヌ・スーリオの演劇状況」 6/5

8

   〃   「記述神話学者プロップとレヴィ=ストロース」 6/12

9

   〃   「ロシア・フォルマニスト」 6/19

10

   〃   「意味論、論理、文法」 6/26

11

   〃   「体系と体系の構築者」 7/3

12

   〃   「ツヴェタン・トドロフの読みの理論」 7/10

13

   〃   「ロラン・バルトのコード」 7/17

14

   〃   「ジェラール・ジュネットのフィギュール」 7/24

15

まとめ 

教科書・参考書  ロバート・スコールズ『スコールズの文学講義』(岩波書店  1992年)  

国文学演習B(Seminar on Japanese Literature B) 

学期 前期
曜日・時限 木・5

標準履修学年 学部4年

授業の到達目標・テーマ
  小川未明・新美南吉の文学世界の特質を、童話作品等の精読を通じて考えていく。毎回1作品ずつ2人の代表的作品を取り上げ、作品解釈を行っていくとともに、解釈を行うための基本的な技能の習得を目指す。本科目は演習科目である。作品内容について調査し、考察したことがらを、演習者は、受講者への伝達効果を意識しながら発表していく。そのことを通じて効果的な発表技術の習得も目指したい。受講者それぞれが、文学教材の分析と開発を行えるような力を養う。  
授業の概要
 毎回、1名もしくは2〜3名の単位で、受講者は作品解釈の演習を行う。演習担当者は、作品解釈の資料をあらかじめ用意しておく必要がある。資料に基づいて、演習担当者は、受講者に対し、効果的な伝達が行えるよう発表内容や手順、方法等を工夫し、発表を行う。1回の授業の半分を演習担当者の発表時間にあて、残りの時間を討議の時間にあてる。  

授業計画・内容

1

ガイダンス(授業の進め方・演習の割り振り) 416

2

小川未明「木に上った子供」 423

3

小川未明「二つの琴と二人の娘」 430                                               57 休み

4

小川未明「天下一品」 514                                      52164休み(中学実習)

5

新美南吉「うた時計」611 

6

新美南吉「おじいさんのランプ」 618

7

新美南吉「牛をつないだ椿の木」 625

8

小川未明「海のかなた」 72

9

小川未明「山へ帰りゆく父」 79

10

小川未明「海からきた使い」 716                               723休み(月曜授業)

11

新美南吉「病む子の祭」730  

12

新美南吉「花のき村と盗人たち」 86(補講)

13

新美南吉「最後の胡弓弾き」 86(補講)

14

小川未明まとめ 

15

新美南吉まとめ 


教科書・参考書 プリントを用意する。

2009年度後期

国文学演習B(Seminar on Japanese Literature B)

学期 後期
曜日・時限  金・3
標準履修学年 大学院

授業の到達目標・テーマ
 
日本近代文学の作品のなかから、毎回1作品を取り上げ、先行研究に留意し、テクストの新たな読みを探っていくとともに、テクストを読むための実践的な技能の習得を目指す。新旧の文学理論を適宜テクスト分析の方法として用い、文学テクストの読解や教育現場において役立つ諸観点となるよう学んでいきたい。この科目は演習方式をとる。演習者は、作品を精読し、その結果をわかりやすく整理し、レジュメをもとに発表を行う。  

授業の概要
 今回は、新美南吉・村上春樹・谷崎潤一郎・川端康成・芥川龍之介・円地文子・小川未明の諸作品を中心に演習を行う。一つの作品をあるテーマに沿って深く読み解いていく方法や、総合的に理解する方法を、演習発表を通して学んでいく。  

授業計画・内容

1

ガイダンス 授業の進め方 

2

村上春樹「海辺のカフカ」について 

3

谷崎順一路「痴人の愛」について 

4

新美南吉の晩年童話のユートピア性について 

5

川端康成「千羽鶴」について 

6

川端康成「掌の小説」について 

7

芥川龍之介の中国ものについて 

8

円地文子と古典文学の関係について 

9

小川未明童話について1 

10

小川未明童話について2 

11

小川未明童話について3 

12

小川未明童話について4 

13

小川未明童話について5 

14

小川未明童話について6 

15

小川未明童話について7 


 教科書・参考書
  プリントを配布する。
国文学講読B(Readings in Japanese Literature B

学期 後期
曜日・時限 火・4
標準履修学年 学部3年

授業の到達目標・テーマ
 明治・大正・昭和・平成の各時代に書かれた日本の短編小説の中から十数編の作品を取り上げ、それらの作品を丹念に読むことを通じて、物語を読むことの歓びや読みあじわう方法、文学作品を教材として扱う意義等について受講生と一緒に考えていく。文学テクストには読者を物語世界に引き込む巧妙な仕掛けがなされている。そうした仕掛けに気づくことが文学テクストを読み解く大きなヒントになる。テクストを講読しながら、そうした仕掛けのありようについても適宜説明していきたい。  
授業の概要
各回1作品の講読を行う。作品のあらすじや背景、注釈的事項を説明したあと、キーワードやキーセンテンスの取り出し、解釈の手がかりをどこに置くかといった点について、受講者とともに考えていく。毎回、受講者自身が解釈作業に関わる授業方法をとる。今回の作品は、主に文芸誌「新潮」創刊100周年記念として刊行された『名短編』(平成17年1月  新潮社)から選んだ。  
授業計画・内容

1

10/6   ガイダンス 授業の進め方 

2

10/13 広津和郎「崖」 (「新潮」大正6年11月)

3

10/20 有島武郎「小さき者へ」 (〃 大正7年1月)

4

10/27 志賀直哉「十一月三日午後の事」 (〃 大正8年1月)

5

11/10 芥川龍之介「蜜柑」 (〃 大正8年5月)

6

11/17太宰治「清貧譚」 (〃 昭和16年1月)

7

11/24庄野潤三「小えびの群れ」(〃 

8

12/1  深沢七郎「おくま嘘歌」 (〃 昭和37年6月)

9

12/8  三島由紀夫「雨の中の噴水」 (〃 昭和38年8月)

10

12/22 安岡章太郎「走れトマホーク」(〃 昭和47年1月)

11

1/12 井伏鱒二「肇さんのこと」 (〃 昭和50年1月)

12

1/19  三浦哲郎「みそっかす」 (〃 昭和56年5月)

13

1/26  川上弘美「花野」

14

まとめ

15

まとめ


 
教科書・参考書  プリントを配布する。


2008年度前期

国文学特論B(Japanese Literature B)

学期 前期
曜日・時限
金・2
標準履修学年 大学院


授業概要・目標
 文学テクストを読むための理論は、今日、文学のみに限った狭い理論によってではなく、広く現代思想の理論全体から形成されたものが多い。しかも理論の学習は次の新たな理論の学習へとわれわれを導き、終結点を見ない。それゆえ文学理論に手を出すことにためらいをもつものは多い。伝統的な研究方法にのっとり、実証研究を進めていく意義が無効になったわけではないが、新しい文学理論はテクストに対峙するわれわれの構えを豊かなものにしてくれる。本授業では、クリストファー・バトラー『解釈 ディコンストラクション イデオロギー』を通じて文学の批評理論を学ぶとともに、それがテクスト解釈および文学教材を扱う教育現場でどのように具体化・応用化しうるのかを見ていく。  

授業計画・内容

1 ガイダンス 文学作品の種々の解釈1 川端康成「化粧」を例に 
2 ガイダンス 文学作品の種々の解釈2 川端康成「化粧」を例に 
3 クリストファー・バトラー「暗黙の意味」
4    〃   「テクストにおける隠喩」
5    〃   「言語における隠喩」
6    〃   「言語学と解釈」 
7    〃   「「レダと白鳥」−3つの解釈法」
8    〃   「テクストと外的世界」 
9    〃   「ディコンストラクションと懐疑主義」 
10    〃   「曖昧さと自己矛盾」 
11    〃   「自由な遊び」 
12    〃   「解釈の規範」 
13    〃   「イデオロギーと対立」 
14    〃   「 隠されたイデオロギー」 
15    〃   「マルクス主義と支配的イデオロギー」 「道徳的なものと政治的なもの」 
教科書・参考書  C・バトラー『解釈  ディコンストラクション  イデオロギー』(芸文出版)

国文学演習B(Seminar on Japanese Literature B) 

学期 前期
曜日・時限 木・5

標準履修学年 学部4年

授業概要・目標
 日本近代文学の名作のなかから、毎回1作品を取り上げ、テクストの新たな読みを探っていくとともに、テクストを読むための基本的な技能の習得を目指す。この授業は演習科目である。演習者は、解釈し考察したことがらやテクストの魅力等を、受講者に対し、プレゼンテーションによる伝達効果を意識しながら発表していく。そのことを通じて教育現場における文学作品の効果的な教授方法についても学んでいく。  

授業計画・内容

1 4/10 授業の進め方 夏目漱石「第三夜」(『夢十夜』) 
2 4/17 三島由紀夫「橋づくし」   
3 4/24 芥川龍之介意「枯野抄」  
4 5/1  宮部みゆき「チヨ子」  
5 6/5  宮沢賢治「タネリはたしかにいちにち噛んでゐたやうだつた」  
6 6/12 井伏鱒二「かきつばた」 
7 6/19 小川洋子「ひよこトラック」  
8 6/26 太宰治「俗天使」 
9 7/3  谷崎潤一郎「魚の李太白」 
10 7/10 森鴎外「じいさんばあさん」 
11 7/17 川上弘美「花野」 
12 7/24 町田康「一言主の神」
13 補講 川端康成「水月」 
14 補講 井上靖「異域の人」
15 補講 泉鏡花「海に使者」

教科書・参考書 プリントを用意する。

2008年度後期

国文学演習B(Seminar on Japanese Literature B)

学期 後期
曜日・時限  金・3
標準履修学年 大学院

授業概要・目標
 
日本近代文学の作品のなかから、毎回1作品を取り上げ、先行研究に留意し、テクストの新たな読みを探っていくとともに、テクストを読むための実践的な技能の習得を目指す。新旧の文学理論を適宜テクスト分析の方法として用い、文学テクストの読解や教育現場において役立つ諸観点となるよう学んでいきたい。この科目は演習方式をとる。演習者は、作品を精読し、その結果をわかりやすく整理し、レジュメをもとに発表を行う。


授業計画・内容
内容
1 ガイダンス 授業の進め方 
2 太宰治「女生徒」 
3 川端康成「千羽鶴」 
4 夏目漱石「草枕」 
5 宮沢賢治『注文の多い料理店』 
6 谷崎潤一郎「春琴抄」 
7 村上春樹「海辺のカフカ」 
8 泉鏡花「薬草取」 
9 三島由紀夫「道成寺」 
10 徳田秋声「町の踊り場」 
11 田山花袋「少女病」 
12 岡本かの子「鮨」 
13 小川国夫「プロヴァンスの坑夫」 
14 川上弘美「亀が鳴く」 
15 まとめ 

 教科書・参考書
  プリントを配布する。



国文学講読B(Readings in Japanese Literature B

学期 後期
曜日・時限 火・4
標準履修学年 学部3年

授業概要・目標

 明治・大正・昭和の各時代に書かれた日本の短編小説の中から十数編の作品を取り上げ、それらの作品を丹念に読むことを通じて、物語を読むことの歓びや読みあじわう方法、文学作品を教材として扱う意義等について受講生と一緒に考えていく。文学テクストには読者を物語世界に引き込む巧妙な仕掛けがなされている。そうした仕掛けに気づくことが文学テクストを読み解く大きなヒントになる。テクストを講読しながら、そうした仕掛けのありようについても適宜説明していきたい。今回の作品は、フランスで好評を博したガリマール社『現代日本短編選集』収録作品の中から選んだ。  

授業計画・内容
内容
1 ガイダンス 授業の進め方 
2 内田百閨uサラサーテの盤」 
3 芥川龍之介「大導寺信輔の半生」 
4 宇野千代「それは木枯しか」 
5 川端康成「弓浦市」 
6 中野重治「軍楽」 
7 円地文子「妖」 
8 原民喜「夏の花」 
9 井上靖「補陀落渡海記」 
10 太宰治「桜桃」 
11 武田泰淳「もの喰う女」 
12 三島由紀夫「荒野より」 
13 開高健「玉、砕ける」 
14 大江健三郎「人間の羊」 
15 まとめ 

 
教科書・参考書  プリントを配布する。



2007年度前期

国文学特論B(Japanese Literature B)

学期 前期
曜日・時限
金・2
標準履修学年 大学院


授業概要・目標
 文学テクストを読むための理論は、今日、文学のみに限った狭い理論によってではなく、広く現代思想の理論全体から形成されたものが多い。しかも理論の学習は次の新たな理論の学習へとわれわれを導き、終結点を見ない。それゆえ理論に手を出すことにためらいをもつものは多い。伝統的な研究方法にのっとり、実証研究を進めていく意義が無効になったわけではないが、新しい文学理論はテクストに対峙するわれわれの構えを豊かなものにしてくれる。本授業では、丹治愛編『批評理論』を通じて文学の批評理論を学ぶとともに、それがテクスト解釈および文学教材を扱う教育現場でどのように具体化・応用化しうるのかを見ていく。  

授業計画・内容

1

04/13  ガイダンス 文学作品の読み方 

2

04/20  「読むこともまた創造である−批評理論とは何か」(丹治愛)  

3

04/27  「「読み手」のあなたへ−読者反応論」(鍛冶哲郎) 

4

05/11     〃 

5

05/18  「テクストの無意識はどこにある−精神分析批評」(山田広昭) 

6

05/25       〃 

7

06/01  「空虚な中心への旅−脱構築批評」(田尻芳樹) 

8

06/07       〃 

9

06/15  「不可視の階級闘争をあぶり出せ−マルクス主義批評」(丹治愛・佐藤元状) 

10

06/22       〃 

11

06/29  「「女」はもはや存在しない?−フェミニズム批評」(遠藤不比人) 

12

07/06       〃 

13

07/13  「悲しきシェイクスピア−ポストコロニアル批評」(中尾まさみ) 

14

07/20       〃 

15

07/27  「つねに歴史化せよ−ニュー・ヒストリシズム」(大久保譲) 

 教科書・参考書 丹治愛編『批評理論』(講談社  200310月)  

国文学演習B(Seminar on Japanese Literature B) 

学期 前期
曜日・時限 木・5

標準履修学年 学部4年

授業概要・目標
 宮沢賢治・小川未明の文学世界の特質を、童話作品の精読を通じて考えていく。毎回1作品ずつ彼らの代表的作品を取り上げ、先行研究に留意し、テクストの新たな読みを探っていくとともに、テクストを読むための基本的な技能の習得を目指す。本科目は演習科目である。調査し、考察したことがらを演習者は、プレゼンテーションによる受講者への伝達効果を意識しながら発表していく。そのことを通じて効果的な発表技能の習得も目指したい。  

授業計画・内容

1

4/12  ガイダンス 授業の進め方 

2

4/19  宮沢賢治「よだかの星」   

3

4/2  宮沢賢治「やまなし」  

4

5/1  宮沢賢治「なめとこ山の熊」 

5

6/   小川未明「飴チョコの天使」  

6

6/1  小川未明「さかずきの輪廻」 

7

6/2  小川未明「新しい町」 

8

6/2  宮沢賢治「祭の晩」 

9

7/1  宮沢賢治「紫紺染について」 

10

7/19  宮沢賢治「猫の事務所」 

11

7/2  小川未明「明るい世界へ」 

12

8/   小川未明「カラカラ鳴る海」  

13

8/   小川未明「白い門のある家」 

14

8/   宮沢賢治「フランドン農学校の豚」 

15

8/   小川未明「北海の波にさらわれた蛾」 

 


2007年度後期
国文学演習B(Seminar on Japanese Literature B)

学期 後期
曜日・時限  金・3
標準履修学年 大学院

授業概要・目標
 
三島由紀夫及びその関連作家の小説の精読を行い、三島文学の主題的な系譜や影響関係について考える。昭和文学のメルクマールともいえる三島文学の影響関係について考えることは、日本近代文学の特質を考える一つのヒントを提供してくれるだろう。毎回1作品ずつ彼らの代表的作品を取り上げ、先行研究に留意し、テクストの新たな読みを探っていくとともに、テクストを読むための技能の習得を目指す。本演習では、新旧の文学理論を適宜テクスト分析の方法として用い、文学テクストの読解や教育現場において役立つ諸観点となるよう整理していきたい。  

授業計画・内容

1

ガイダンス 授業の進め方

2

泉鏡花「山吹」 

3

堀辰雄「ルウベンスの偽画」

4

森鴎外「百物語」 

5

谷崎潤一郎「金色の死」 

6

川端康成「反橋」 

7

芥川龍之介「地獄変」 

8

太宰治「駆込み訴へ」 

9

安部公房「 パニック」 

10

大江健三郎「性的人間」 

11

三島由紀夫「中世」 

12

三島由紀夫「日曜日」 

13

三島由紀夫「橋づくし」 

14

三島由紀夫「憂国」 

15

三島由紀夫「孔雀」 

 
国文学講読B(Readings in Japanese Literature B

学期 後期
曜日・時限 火・4
標準履修学年 学部3年

授業概要・目標

 明治・大正・昭和・平成の各時代に書かれた日本の短編小説の中から名作十数編を取り上げ、それらの作品を丹念に読むことを通じて、物語を読むことの歓びや読みあじわう方法、文学作品を教材として扱う意義等について受講生と一緒に考えていく。文学テクストには読者を物語世界に引き込む巧妙な仕掛けがなされている。そうした仕掛けに気づくことが文学テクストを読み解く大きなヒントになる。テクストを講読しながら、そうした仕掛けのありようについても適宜説明していきたい。今学期は、おおむね男性作家が捉えた女性像に焦点をしぼって作品を選んだ。  


授業計画・内容

1

ガイダンス 授業の進め方 

2

夏目漱石「第一夜」(『夢十夜』) 

3

太宰治「きりぎりす」 

4

森鴎外「半日」 

5

泉鏡花「女客」 

6

芥川龍之介「女」 

7

宮沢賢治「土神と狐」 

8

永井荷風「蛇つかい」 

9

井伏鱒二「へんろう宿」 

10

谷崎潤一郎「刺青」 

11

横光利一「春は馬車に乗って」 

12

川端康成「片腕」 

13

庄野潤三「プールサイド小景」 

14

三島由紀夫「橋づくし」 

15

まとめ 

 

2006年度前期

国文学特論B(Japanese Literature B)

学期 前期
曜日・時限
金・2
標準履修学年 大学院


授業概要・目標
 文学テクストを読むための理論は、今日、文学のみに限った狭い理論によってではなく、ありとあらゆる現代思想をもとにつくられている。理論の学習は次の新たな理論の学習へとわれわれを導き、終結点を見ない。それゆえ理論に手を出すことにためらいをもつものは多い。伝統的な研究方法にのっとり、実証研究を進めていく意義が無効になったわけではないが、新たな理論を知ることは従来の研究に別の視角をもたらすであろう。本授業では、土田知則・青柳悦子共著『文学理論のプラクティス』その他のテクストを通じて文学理論を学ぶとともに、文学理論がテクスト解釈にどのように具体化・応用化しうるのかを見ていきたい。本授業では、発表・討議形式を一部取り入れる。

授業計画・内容
1 4/14 ガイダンス 川端康成「化粧」読解1
2 4/21         川端康成「化粧」読解2
3 4/28 「影響関係を脱構築する」
4 5/12 「カオスの遇し方」
5 5/19 「小説的思考における他者との融合」
6 5/26 「日常言語の復権」
7 6/02 「夢想する散歩者は孤独なのか」
8 6/09         川端康成「化粧」読解3
9 6/16 「ミステロイドの詩学」
10 6/23 「反=記憶装置としての小説」
11 6/30 「荒れ果てた庭への愛」
12 7/07 「「鳥」と「色彩」のテーマティスム」
13 7/14 「あるようなないような」
14 7/21 「越境地帯の子どもたち」
15 7/28  まとめ   川端康成「化粧」読解4


国文学演習B(Seminar on Japanese Literature B) 

学期 前期
曜日・時限 木・5

標準履修学年 学部4年

授業概要・目標
 宮沢賢治・新美南吉の文学世界の特質を童話作品の精読を通じて考えていく。 毎回1作品ずつ彼らの代表的作品を取り上げ、先行研究に留意し、テクストの新たな読みを探っていくとともに、テクストを読むための技能の習得を目指す。本科目は演習科目である。調査し、考察したことがらを演習者は、プレゼンテーションによる受講者への伝達効果を意識しながら発表していく。そのことを通じて効果的な発表技能の習得も目指したい。

授業計画・内容
1  4/13 ガイダンス 授業の進め方           
2  4/20 ガイダンス 「烏の北斗七星」(宮沢賢治)を読む  
3  4/27 宮沢賢治「種山ケ原」           
  〔5/4 休日〕                   
4  5/11 宮沢賢治「さいかち淵」
  〔5/18・5/25・6/1 休講(G4中学校実習のため)〕
5  6/8 宮沢賢治「よだかの星」           
6  6/15 宮沢賢治「氷河鼠の毛皮」          
7  6/22 新美南吉「花のき村と盗人たち」      
8  6/29 新美南吉「和太郎さんと牛」 
9  7/6 新美南吉「鳥山鳥右衛門」   
10 7/13 新美南吉「ごんごろ鐘」    
  〔7/20・7/27 休講(G4教員採用試験準備のため)〕
11  8/3 宮沢賢治「茨海小学校」      
12  8/3 宮沢賢治「セロ弾きのゴーシュ」  
13  8/10 新美南吉「嘘」            
14  8/10 新美南吉「屁」            
15 予備日


2006年度後期
国文学演習B(Seminar on Japanese Literature B)

学期 後期
曜日・時限  金・3
標準履修学年 大学院

授業概要・目標

 近・現代文学のテクストを読むさいに有効な諸観点を、現代の文学理論の知見をもとに学んでいく。本演習では、記号論・物語の構造分析・読者論・文学現象等に関する文学理論を説いた著名なテクストを中心に、それらを丁寧に読みながら、文学テクストの読解や教育現場に役立つ諸観点を整理していきたい。演習は、それぞれのテクストの特質を毎回1〜2名のグループで検討・整理し、授業においてその内容を出席者に分かりやすく伝えられるよう発表していく。

授業計画・内容
1 ガイダンス
2 川本茂雄「詩の言語」
3 平岡篤頼「小説の言語」
4 篠田浩一郎「劇的言語」佐々木健一「台詞と記号論」
5 二見史郎「現代の芸術運動と芸術記号論」
6 田中優子「広告の記号学」
7 湯川新「流行歌の記号論」中山一「マンガの記号学的分析」
8 ロラン・バルト「物語の構造分析序説」
9 ロラン・バルト「天使との格闘」
10 ロラン・バルト「S/Z」(抄)
11 スタンリー・フィッシュ「このクラスにテクストはありますか」
12 ロバート・スコールズ「だれがテクストなんて気にかける?」
13 ピエール・ブルデュー「フローベールの分析者フローベール」
14 ルネ・ジラール「〈三角形的〉欲望」
15 まとめ

国文学講読B(Readings in Japanese Literature B

学期 後期
曜日・時限 火・4
標準履修学年 学部3年

授業概要・目標
 昭和や平成の各時代に発表された女性作家の文学テクストを読む。男性の性を基準につくられてきた明治以降のジェンダー(歴史的・社会的・文化的性差)秩序を文学テクストがいかに受けとり、いかに変更していったかについて考える。フェミニズム批評やジェンダー理論の基礎的な知識を学び、性差に対する理解力・想像力を養うとともに、テクストを一つ一つ丁寧に読み解く作業をつうじテクストを読解する技能の習得を目指す。 (今回は、現代女性作家のテクストを中心に読む。)

授業計画・内容
1 ガイダンス
2 川上弘美
3 吉本ばなな
4 大庭みな子
5 岡本かの子
6 河野多恵子
7 富岡多惠子
8 向田邦子
9 津島佑子
10 江國香織
11 鷺沢萌
12 群よう子
13 柳美里
14 絲山秋子
15 まとめ 

2005年度前期

国文学特論B(Japanese Literature B)

学期 前期
曜日・時限
金・2
標準履修学年 大学院

授業概要・目標
 文学テクストを読むための理論は、今日、文学のみに限った狭い理論によってではなく、ありとあらゆる現代思想をもとにつくられている。理論の学習は次の新たな理論の学習へとわれわれを導き、終結点を見ない。それゆえ理論に手を出すことにためらいをもつものは多い。伝統的な研究方法にのっとり、実証研究を進めていく意義が無効になったわけではないが、新たな理論を知ることは従来の研究に別の視角をもたらすであろう。本授業では、R・スコールズ著『記号論のたのしみ』その他のテクストを通じて文学理論の概略を学び、具体的に文学テクストの読解を通じて理論の応用化をはかっていく。本授業は、発表・討議形式を一部取り入れて進めたい。分担箇所を1〜2名ずつで読み、意味内容を報告し、受講者相互で討議を行う。

授業計画・内容
4/15   テクスト読解(1)「化粧」
4/22   テクスト読解(2)「化粧」
5/06    「人文系の諸学、批評、記号論」
5/13    「文学の記号論にむけて」
5/20   テクスト読解(3)
5/27   「詩のテクストの記号論」
6/03    テクスト読解(4)
6/10   「映画とフィクションにおける語り」
6/17   テクスト読解(5)
6/24   「戯曲と小説におけるアイロニーの記号論」
7/01   テクスト読解(6)
7/08    「パパのコードを解読する」
7/15   テクスト読解(7)
7/22   「ママのコードを解読する」
7/29   テクスト読解(8)

国文学演習B(Seminar on Japanese Literature B) 

学期 前期
曜日・時限 木・5

標準履修学年 学部4年

授業概要・目標
 宮沢賢治・小川未明・新美南吉の文学世界の特質を童話作品の精読を通じて考えていく。毎回1作品ずつ彼らの代表的作品を取り上げ、先行研究に留意し、テクストの新たな読みを探っていくとともに、テクストを読むための技能の習得を目指す。本科目は演習科目である。調査し、考察したことがらを演習者は、プレゼンテーションによる受講者への伝達効果を意識しながら発表していく。そのことを通じて効果的な発表技能の習得も目指したい。

授業計画・内容
4/14  ガイダンス
4/21  宮沢賢治「烏の北斗七星」
4/28  宮沢賢治「双子の星」 
5/12  宮沢賢治「ビジテリアン大祭」 (5/16〜6/3教育実習)
6/09  宮沢賢治「風の又三郎」
6/16  小川未明「消えた美しい不思議なにじ」
6/23  小川未明「初夏の空で笑ふ女」 
6/30  小川未明「赤いガラスの宮殿」 
7/07  小川未明「どこかに生きながら」
7/14  新美南吉「おぢいさんのランプ」 (7/21 7/28休講) 
8/04  新美南吉「牛をつないだ椿の木」
8/11  新美南吉「川」 (2コマ集中講義) 
8/11  新美南吉「嘘」
9/01  まとめ


2005年度後期

国文学演習B(Seminar on Japanese Literature B)

学期 後期
曜日・時限  金・3
標準履修学年 大学院

授業概要・目標
 童話・児童文学を読むさいに有効な諸観点を、種々の先行研究の知見をもとに学んでいく。思想史・社会史・表現史をふまえた作品理解の方法、テクスト論をもとにした読解方法など新たな研究方法の習得を中心課題にすえる。本演習では、方法論を学ぶうえで重要なテクストを読み、さらにそこで得た知見を実践的方法にまで高めるため、具体的なテクスト分析を行うようにしたい。

授業計画・内容
1 ガイダンス
2 関口安康「日本児童文学の成立」
3 河原和枝「〈子供〉の発見と児童文学」
4 横須賀薫「童心主義と児童文学」
5 村瀬学「児童文学と死」
6 石沢小枝子「二十世紀児童文学の諸相」
7 宮川健郎「児童文学のことば、児童文学というコミュニケーション」
8 原昌「南吉と譲治」
9 佐藤宗子「「表現史」の断絶」
10 上野瞭 「児童文学における「国境」と「越境」」
11 石井直人「現代児童文学の条件」
12 本田和子「児童文学におけるトポス」
13 砂田弘「児童文学におけるタブー」
14 T・トドロフ「幻想文学−構造と機能−」
15 まとめ

国文学講読B(Readings in Japanese Literature B

学期 後期
曜日・時限 火・4
標準履修学年 学部3年

授業概要・目標
 昭和や平成の各時代に発表された女性作家の文学テクストを読む。男性の性を基準につくられてきた明治以降のジェンダー(歴史的・社会的・文化的性差)秩序を文学テクストがいかに受けとり、いかに変更していったかについて考える。フェミニズム批評やジェンダー理論の基礎的な知識を学び、性差に対する理解力・想像力を養うとともに、テクストを一つ一つ丁寧に読み解く作業をつうじテクストを読解する技能の習得を目指す。

授業計画・内容
1 ガイダンス
2 宮本百合子「心の河」
3 野上弥生子「夢」
4 宇野千代「私と子供」
5 壺井栄「月給日」
6 円地文子「男のほね」
7 幸田文「雪もち」
8 津島佑子「空中ブランコ」
9 田辺聖子「おそすぎますか?」
10 瀬戸内晴美「風のない日々」
11 吉本ばなな
12 川上弘美
13 柳美里
14 山田詠美
15 まとめ 

                                             

  


過年度分授業内容

2004年度

2003年度